PHILOSOPHY
売れることより、売れ続けることを。
商品を一時的に売る方法は、いくつもあります。広告を増やす。値段を下げる。話題になる見せ方をつくる。しかし、売上が増えてもメーカーに利益が残らない。広告を止めると注文も止まる。それでは商売は続きません。私たちがつくりたいのは、瞬間的に売れる仕組みではなく、関わる全員が無理なく参加でき、商品が売れ続ける商流です。
つくる側も、売る側も、
自分でやってきました。
私たちは、自分たちで商品をつくっています。自分たちの店で売り、ECモールでも売り、卸もして、自社の倉庫から発送しています。
だから、それぞれの立場の事情が分かります。工場の事情——原価はぎりぎりで、これ以上卸値を下げたら何のためにつくっているのか分からなくなること。小売店の事情——棚は有限で、粗利が低い商品や動かない商品を置き続ける余裕はないこと。売り場に立てば、数十円の価格差で商品が止まる現実も、パッケージひとつで手に取られ方が変わることも、体で知ることになります。
商流の全員を、外から観察してきたのではありません。
全部の立場を、自分でやってきました。
間に立って、意見を言う存在がいませんでした。
メーカーが商品のことを率直に相談できる相手は、実は多くありません。商品を扱う当事者でありながら、条件にも設計にも踏み込んで意見を言う。そういう相談相手が、商流のどこにもいませんでした。
問屋
条件に意見を
言いません。
商品は流しますが、「この価格設計では御社に利益が残りません」「この商品の売り場はここではありません」とは言わない。それは問屋の仕事の範囲外だからです。
コンサルティング会社
売れなくても
報酬は発生します。
分析と提案は出ますが、自分のお金で商品を仕入れたことのない立場の助言は、売り場の最後の一歩で現場とずれます。
私たち
意見を言う問屋。
相談できる問屋。
だから私たちは、その存在になることにしました。以下に書くのは、その私たちが取引のたびに使っている判断の基準です。
商流とは、商品が通る道だけではありません。
商流という言葉は、商品がメーカーから小売店へ流れる経路を指すものだと思われがちです。しかし商流とは、商品の移動経路ではなく、価値と利益の分け方を決める設計です。決めることは4つあります。
ROLE
誰が、どの役割を
担うのか。
RISK
誰が、どのリスクを
負うのか。
PROFIT
誰に、どれだけの
利益が残るのか。
PRICE
どの売り場で、
どの価格なら選ばれるのか。
メーカーに利益が残らなければ、つくり続けることができません。小売店に利益が残らなければ、棚から外されます。販売価格が高すぎればお客さまは買えず、安すぎれば一時的に売れても事業として続きません。誰か一人だけが得をする構造では、商流は途中で止まります。
だから私たちは、商品を見るときに、その商品だけを見ません。
その商品に関わる全員が、無理なく続けられる構造になっているかを見ます。
PRODUCT POWER
「良い商品」と「商売として成立する商品」は違います。
美味しい。品質が高い。原材料にこだわっている。つくり手の想いが込められている。これらは商品の大切な価値です。しかし、それだけで売れるとは限りません。私たちが考える商品力には、三つの条件があります。
01
お客さまが選ぶ理由があること。
競合商品と並んだときに、価格、内容量、見た目、用途、地域性など、何らかの選ばれる理由が必要です。
02
関わる人に利益が残ること。
売れてもメーカーに利益が残らない商品や、小売店が扱うほど粗利を失う商品は、長く販売されません。
03
繰り返し売れる状態を
つくれること。
一度売れたという事実ではなく、同じ条件で再び仕入れ、再び売り、再び届けられることが必要です。
品質が高いことと、事業として強いことは、同じではありません。
その魅力を、続けられる商売にするために数字を見ます。
価格は、原価に利益を足して決めるものではありません。
原価に必要な利益を足し、その合計を販売価格にする考え方があります。しかし、その価格をお客さまが払うとは限りません。私たちは、順番を逆に考えます。
START
売り場で
お客さまが払う価格
−
RETAIL
小売店に
必要な利益
−
WHOLESALE
卸に
必要な利益
−
COST
手数料・物流費
資材費・販売費
=
GOAL
メーカーに
必要な利益が残るか
残らなければ、誰かに無理な値下げを求めるのではありません。原材料を見直すのか。規格を変えるのか。売り方を変えるのか。流通工程を減らすのか。そもそも、その市場で売るべき商品なのか。
価格を決めることは、数字を一つ決めることではありません。
その商品が、どの商流なら成立するのかを決めることです。
広告は、商品の弱さを埋めるためのものではありません。
私たちは、広告を否定しているわけではありません。必要な商品を、必要な人に知ってもらうために、広告は有効です。ただし、同じ販売コストでも払うタイミングが違います。
広告費
売れる前に、賭ける。
売れるかどうかにかかわらず、先に出ていきます。増やし続けなければ売上を維持できない商品は、広告費の上昇によって利益を失います。その結果、メーカーは価格を上げるか、原価を下げるか、利益を削ることになり、最終的にはお客さまが広告費まで含んだ価格を負担します。
売り場の手数料・利益
売れた後に、払う。
小売店や販売先に支払う手数料や利益は、商品が売れた後に発生します。売れなければ、払いません。だから私たちは、広告を売上のエンジンにはしません。市場、商品、価格、売り場が合っていることを確認し、その価値を伝えるために使います。
商品を広告で無理に動かすのではなく、商品が本来持っている力を、広告で広げる。
ECでモールを選ぶのも、
同じ理由です。
「ECをやるなら自社サイトで。モールは手数料が高い」——よく聞く考え方ですが、私たちは逆の立場を取ります。自社ECサイトは自由ですが、そこにお客さまはいません。人を連れてくるには広告が要ります。つまり自社ECの集客コストは、売れる前に払う広告費です。
楽天やAmazonには、買う気のあるお客さまが最初からいます。モールの手数料は、その集客力に対して売れた後に払うものです。商品に力があれば、モールは商品の力がそのまま結果になる場所です。
順序の問題です。まずモールで商品の力を証明し、その後に自社ECを育てる。
一番大きな市場を選ぶことが、正解とは限りません。
市場が大きければ、売上の可能性も大きくなります。しかし競合も増えます。広告費は高くなり、値下げ競争が起き、売り場を維持する費用も増えていきます。売上が大きい市場が、最も利益の残る市場とは限りません。
勝てる領域を選んで取得した楽天・Amazonランキング1位
100件以上
そのうち広告費で順位を買ったもの
0件
市場規模はそれほど大きくなくても、必要としているお客さまが明確で、競合が少なく、広告費を抑えられる市場があります。そこで一定のシェアを取り、安定して販売を続ける方が、事業として強い場合があります。市場、競合、キーワード、レビューを分析し、競合が少なく需要のある領域を見つけてから、そこで勝てる商品と価格を設計する。この順序で出した商品が、ランキング1位を100件以上取ってきました。だから広告を減らしても、順位は簡単には落ちません。
売上の大きさではなく、利益と再現性が残る場所を選びます。
COST COMPETITIVENESS
価格競争力は、誰かの利益を削ってつくるものではありません。
安く売るために、メーカーの卸値を叩く。人件費を切り詰める。品質を落とす。そうやってつくった価格競争力は、商流のどこかに無理を溜め込みます。私たちの考える価格競争力は、構造からつくるものです。
01
コストの低い場所に、
機能を置いています。
私たちの物流拠点は兵庫県南あわじ市——淡路島にあります。都市部の倉庫と比べて、保管コストも運営コストも大きく抑えられます。同じ作業をしても、かかる費用の土台が違う。保管して発送するという仕事の品質は、場所を選びません。ならば、コストの低い場所でやるべきです。
02
機能を自社と協業先で持ち、
中間の積み重ねをなくしています。
商品が売り場に届くまでに、製造、卸、物流、販売と会社を経るたび、それぞれのコストと利益が価格に積み上がっていきます。私たちは製造の現場と組み、自社で物流機能を持ち、自社の倉庫から発送することがあります。流通段階を減らすことは、関わる全員の利益を守ったまま価格を下げる、ほとんど唯一の方法です。
03
コストは削るのではなく、
適正化します。
淡路島のアイスクリーム工場「シマラク」との協業では、まず原価の一つひとつを見直すことから始めました。品質に効いているコストは残す。効いていないコストは手放す。割高になっているコストは適正な水準に戻す。この積み重ねで原価が下がり、品質を落とさずに、全国で戦える価格のアイスクリームをつくれる体制になりました。
構造でつくった価格競争力は、続きます。交渉でつくった価格競争力は、次の交渉で消えます。
全員に利益を残したまま、選ばれる価格をつくるために、立地を選び、機能を持ち、原価と向き合います。
自分たちだけが儲かる取引は、つくらない。
商流の途中に入る会社は、自社の利益を増やそうとすれば、メーカーから安く仕入れ、小売店へ高く売ることができます。しかし、その取引は長く続きません。メーカーが疲弊すれば、品質や供給が維持できなくなります。小売店の利益が足りなければ、商品は棚から外されます。消費者にとって価格が高すぎれば、選ばれません。その状態で私たちだけが利益を得ても、いずれ商流そのものがなくなります。
これは、きれいごとではありません。
全員に利益が残る構造の方が取引は長く続き、結果として私たちの利益も大きくなるからです。
売れない条件では、
取引を始めません。
売れる見込みのない商品を仕入れても在庫が残ります。無理な卸値で受ければ、メーカーに利益が残りません。売り場に合わない商品を提案すれば、小売店の棚を無駄にします。誰かが損をすると分かっている状態で、取引を始める意味はありません。
だから私たちは、取引の前に意見を言います。価格が合っていなければ、合っていないと伝えます。売り場が違えば、別の売り場を提案します。今の商品では難しいと判断すれば、すぐに取り扱うことはしません。
取引を断ることが、相手のためになる場合もあります。
何でも仕入れることが、メーカーに向き合うことではありません。私たちの考え方をご理解いただけるまで、売れる条件が整うまで、率直に意見を伝えることも、商流の中に立つ会社の責任だと考えています。共感いただける企業様と共に、強いパートナーシップを構築したいと考えております。
VISION
本来の価値が、正しく評価される流通をつくる。
良い商品が、つくり手の力不足ではなく、価格や販路の設計によって埋もれている。売れる商品を持つメーカーが、広告費や物流費によって利益を失っている。良い売り場を持つ小売店が、自分たちのお客さまに合う商品と出会えていない。私たちが変えたいのは、こうしたすれ違いです。
商品をつくる人が、正しく利益を得られること。商品を売る人が、自信を持って棚に置けること。商品を買う人が、その価値に見合った価格で手にできること。その間をつなぎ、全員が続けられる構造をつくる。それが、私たちの考える商流です。
私たちは、本来の価値が正しく評価される流通をつくります。
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